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リーダーに求められるもの

何かプロジェクトを進めていくとき、リーダーはどんな人がいいだろうか?
一人でなんでもこなせる人だろうか、性格がいい人だろうか?行動力がある人だろうか?

僕は、「人に頼むのがうまい」人こそ組織を引っ張っていくのに適していると思う。ちなみに、僕はクソのような頼み方しかできないので、自分への戒めも含めてここに記す。

人は誰でも、「誰かの役に立ちたい」と思っている。誰かに感謝されることは、自分の存在が認められる至福の瞬間だからだ。誰かのために、という思いは、いい人だけが持てる思いではない。自分が幸せになるため、という誰もが持っている個人的な願望と結びついている。人は与えられるよりも、与えた方が幸せを感じる。だから、無意識に自分が役に立てる場所を探している。リーダーの役割はそんな人のための環境を整えることだ。

社長と聞いて普通イメージされるのは、なんでもバリバリこなすことができるすげえ人。つまり、仕事できる力ランキングの1位のやつが自動的に社長に就任する、そういう縦構造のイメージを持っている人が多いだろう。しかし、社長とは、何もしなくていい、いやむしろ何もしない方がいいのである。そういったことを、僕は香川の介護施設の社長、松村さんから学んだ。その松村さんは、香川県に8社ほど事業所を展開しており、バリバリと仕事をこなしている。僕は気になって聞いてみた。

株式会社 松について

「やっぱこんだけ経営してると多忙ですよね、1日どれぐらい働いているんですか?」

「僕ほんと何もしてないっすよ。」

んなわけあるかい!僕の得意技、ドリルきのこアタックを喰らわせてやろうか、と一瞬迷ったが、松村さんは続けてこう言った。

「基本的に仕事は全部誰かがやってくれます。僕がやってるのは、新しい仕事をとってくることですね。」

この言葉で、僕の中にコペルニクス的展開、略してコペテンが起こった。
リーダーの役割とは、仕事をとってきて、それができそうな人に振ること。自分でやるのではなくて、誰かが輝ける場所を作ること、その人の能力を世の中に還元できるような環境を作り、関わる人が自分の価値を再認識できるようにすること。その社長さんも、昔は、自分がいっぱいいれば最強なのになーと思っていたらしい。ブレイクスルーは、自分よりも優れた能力を持つ人はこの世にいっぱいいることに気づいたこと時に起こった。人に仕事を頼めるようになって、事業がうまく回り出した。

株式会社 松 代表取締役社長 松村 幸太さん

人がいわゆる「生産的」(僕はこの言葉が嫌いです)な活動をしていく上で、誰しも以下のステップを踏むと思う。

  1. スキルを身につける
  2. 自分で色々できるようになる
  3. 自分は最強だと思う
  4. 色々やって、手が回らなくなる
  5. 誰かに頼むしかなくなる
  6. 他の人に仕事を振ってみる
  7. 周りを巻き込んだ方がいいということに気づく

ここでは、3→7にかけてコペテンが起こっています。つまり、自分一人では何もできないと実感することがスタートラインになる。自分でまず色々やってみて、その後で仕事を振ったほうがいいと気づくのが、自然で納得のいくプロセスかもしれない。

じゃあどうやって仕事を振ればいいんだ?誰かにこれやって!っていうのはなんかためらわれるから頼むのが怖い。僕はどうやったら仕事をふれるか知りたくて、その方法を教えてくれそうなビジネス書を読み漁った。しかし、最もしっくりくる回答を出してくれたのは、介護の本だった。

世界が注目する日本の介護 あおいけあ で見つけた じいちゃん・ばあちゃんとの向き合い方 (介護ライブラリー) 

この本は神奈川県にあるグループホーム「あおいけあ」さんの取り組みをまとめた本で、その方法は日本だけではなく世界にも注目されている。グループホームとは、認知症などを発症したお年寄りが集まって住まう場所なのだが、あおいけあさんはそこで「人を生かす」ことを実践し、認知症の回復に繋げている。

あおいけあにおいて、人を生かすときのポイントは「その人の存在価値、強み」に着目すること。つまり、その人に大きな関心を寄せることである。これはどうやって頼んだら効果的か?という小手先のテクニックではない。姿勢であり、態度であり、心の在り方そのものである。

例えば、料理が得意な人には、ちょっと夜ご飯の準備を手伝ってもらう。今までずっと田舎で過ごしてきた人には、庭の手入れ、草抜きを頼む。リーダー気質の人には、班長、責任者などの肩書きをつけてやる気にさせる。

つまり、頼み方の質は、言葉をどのように巧みに操作するかではなく、その人のことをどれだけよく理解しているかによる。その人の得意なこと、好きなことは何か。今までの人生で、どのようなことを大切に思ってきて、どういったことに関心があるのかを理解する。いい頼み方は、いい人間関係の構築と重なる。

この本では、「人を生かす」ことを続け、最後にはこのグループホーム内でスタッフの結婚式を開く。そのシーンがめちゃくちゃ良くて久しぶりに本で泣いた。漫画で読みやすいのでぜひ読んでみてね。

以上、とりあえずなんか組織を動かすときには、自分で抱えすぎずに人にどんどん頼み事した方がいいと思う。なんなら自分でできることも、人に頼んだ方がいい。その方が当事者意識が湧いて、組織によく関わってくれるようになる。頼むことは恥ではなくて「機会創出」である。誰だって頼ってくれると嬉しくなるし、自分の得意な分野、好きな分野であればなおさらである。何を任せたらその人は嬉しいのか考えながらやると、新しく始めたことでもスルスル進むんじゃないかって思う。

中村「おーい、筒井くん新しいもん使ってみるん得意やと思うし、このツールちょっと試してみてくれん?」

筒井「…………。」

中村「ほんなら、筒井くん考えるん好きやろ?どうやったらこの瀬戸内コーディングが売れるか考えてみようぜ」

筒井「…………。」

中村「……うどん食べに行こうぜ!!!!」

筒井「車出すわ!!!」

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